謝罪のベストプラクティス
技術イベントやオンラインでのキャンペーン、著名人による発言など差別的な表現や発言に注目があつまる事が増えてきました。 反応を受けて謝罪が表明される事も多いですが、それがさらに議論を呼ぶことも多いです。
Geek Feminism Wikiにはテック業界で起きたインシデントの際に行われた発言を題材に良い謝罪の方法や心構えが文章化されています。題材がテック業界に特化しているので一般的な炎上の対処法よりも実感を持って学ぶことができる題材なのでかいつまんでご紹介しようと思います。
失敗をしてしまった時
ポルノ的な発表をテックカンファレンスでしてしまった? 性差別的なブログ記事を投稿してしまった? それとも女性スピーカー0%のイベントを開催してしまった?そしてそれを誰かに指摘されてしまった時はどうすればいいでしょうか。
- 自分だけが不当に批判されていると感じるかもしれません。批判が過剰反応だと感じるかもしれません。(指摘に対して)否定的または防御的になる誘惑がありますが、その誘惑に屈しないようにしましょう。
- 返答を考える時間を作りましょう。まず声明を出し、ゆっくりと悔いましょう。迅速に論争に反応する必要があれば「コメントを確認しています。数日中に声明を出します」という返答でも大丈夫です。
- 信頼できる友人に敬意を持って意見を求めましょう。あなたが正しいと同意するであろうグループに偏らないようにしましょう。女性の友人を板挟みの状況に置かないように留意しましょう。あなたの友人はあなたがフェミニズムの意見を聞き入れるかどうかを知っているとは限りません。あなたが批判を真剣に聞き入れることを明らかにすると助けになるかもしれません。あなたを助ける人を困らせないようにしましょう。
良い謝罪
- 傷つけられた人が居ることを認める。具体的にどのようにして傷つけられたかを認める。
- 表明されていない他者の気分や感情を推測しない。「センシティブすぎる」と思われたくない人もいます。
- 状況によっては、「迷惑をかけた」のではなく「機会を制限した」「権利を侵害した」と認めるほうが良い。
- 本来の意図に関わらず、責任を認める。
- 同じことをしない事を約束する。もしくは対処する事を約束する。
悪い謝罪
- 傷つけられた人が居ることを認めない。
- どのようにして傷つけられたかに理解を示さない。
- 傷つけられた事に対して、責任を認めない
- 「不快に思った人がいれば残念です」はよくある悪い謝罪です。責任の所在を傷つけられた人にそらしている。(訳注:誤解を招いた事への謝罪=誤解した人の責任)
- 心のこもっていない責任の認め方。しっかりした対処を約束しない。
- 本質的でない問題について話、議論をそらす
- 非難を別の団体へそらす
- 非難を傷つけられた人へそらす
悪い謝罪の例
過去の事例へのリンクなどは省略していくつか、目に止まった点。
- 不快に思わなかった人、内容を支持している人に触れる(非難した人が間違っているという印象を与える)
- 自分は差別主義者ではない、ミソジニストではないという
- 具体的な問題に触れない
実際に自分自身が何らかの謝罪をするべき時に適切な対応をするのは驚くほど難しいものです。 周囲からの反応や自分自身の感情の動きに翻弄されてしまい、このWikiで紹介されている悪い謝罪をしてしまう誘惑に駆られるでしょう。
このWikiで提示されている例は自分自身の中によい基準を作ったり、過去の出来事について客観的に振り返るよい材料になるのではと思います。