電子書籍ストアの履歴から今年買った・読んだ本を振り返ってみました。ほとんどはKindleでの購入で、若干、オライリーのストアのものがあります。漫画についてはAmazon以外のストアで買うようにして気が散らないようにしています。

今年はついダラダラと動画を見てしまう時間を少しは読書に割きたいなと思い、たくさん読んだように思います。積読状態になっているものもそこそこあるのですが、カフェに行くなどして集中的に読む時間を取るようにしたのが良かったように思います。

また読書法としてはPDF本をAdobe Acrobatで読むようにして効率が上がりました。オライリーの書籍や論文などはPDFな事が多いのでこの方法を見つけることができたのは収穫でした。

雑多に読んでいるので若干カオスですが、特に面白いと感じた本と読んだ本を紹介します。

今年、読んで面白かった本 5選

シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント

フェイスブック上で友人が紹介していたのをきっかけに購入。SNSやブログなどでの情報発信を元にしたエッセーのような一冊。キャリアの築き方、一緒に働く相手の選び方、マインドフルネスなどについて肩肘はらずに読める内容。

この本が響くのはやはりミドル層以降、プログラマー35歳定年説などが気になるような人でしょう。ただハードワークするだけでは満たされないとか、社会人生初期の目標を達成して、次の目標を探しているような人に染み入る内容かと思います。

後半は運動や瞑想の大切さなどを解いていますが、自分はそのへんは参考に留める程度の感じにはなりました。ちょっと書名は盛りすぎかもですが、身の回りでもいい感想が多いので面白い本かなと思います。

まずはこの一冊から 意味がわかる線形代数

機械学習の講座を始める前の準備として読んだ線形代数の書籍。高校以来数学をやっていなかったので最初は手こずりましたが、手書きノートを取りつつ練習問題を解いたり間違えたりという体験ができた一冊。最近の機械学習のコースやツールはよくできていて、数式が読めなくてもとりあえず使うことはできます。しかしコースを受けていく上での概念のより深い理解や、日々の作業で起きている現象の裏側を想像する上で、やはり基礎の力を感じます。

この書籍は機械学習を念頭に置いたものではありませんが、線形代数を手を動かしながら学ぶ教科書として自分の目的にはあっていました。

ディープラーニング活用の教科書 実践編

機械学習を実際に活用した国内の事例をたくさん紹介している一冊。ニュースなどで時たまでる事業での事例をまとめて読むことができる。事業の種類や規模もさまざまなので、機械学習をどう活用するのかというイメージを持つ助けになる。事例の中には学習データの件数や、モデル構築時に問題になった点なども触れられており、自分の周辺のプロジェクトなどに当てはめて想像しやすい。 技術的な詳細などは触れられていなく、技術者でなくても読める一般書籍に近いが、自分にとっては知らない情報が多かったので読んで良かった。

なぜ理系に女性が少ないのか

日本国内では理工系に進む女性が少なくジェンダーギャップがある事は知られています。この書籍ではタイトルの通り、学問とジェンダーステレオタイプの関係、海外との比較などが順をおって解説されています。新書ということもあり、他にジェンダーなどの本を読んだことがなくても最初の一冊として読むことができます。知識がある人にとっては、無意識バイアスの話題がなかなか出てこないというふうに感じるかも知れません。

個人的には「女の子なのに算数ができてすごいね」という褒め言葉が逆に意欲を減退させるという研究結果が印象に残りました。善意で発している言葉が、ステレオタイプから発せられると起こるマイナスの効果の例として言われなければ気が付かないものだと思いました。

議員秘書だけが知っている キーパーソンを味方につける技術

議員秘書と聞いて、どんな仕事をしているのか想像できる人は少ないと思います。この書籍は実際の体験を元に議員秘書や議員の仕事の内容や、そこで培われた処世術とエピソードがたくさん紹介されています。いかにも日本を感じる話が多いですが、どれも効き目がありそうだなと感じる内容が多く楽しく読むことができました。

対外的なコミュニケーションや、丸投げしてくる上司に悩まされている人にとっては力づけられるようなエピソードが多いと思います。個人的には「政治家は飲み会には遅刻して参加し、中座することで複数の会合を掛け持ちする」という習慣が印象に残ってます。

ソフトウェア開発・プロダクト開発

技術的なトピックで気になった物、プロダクトマネジメントに関わる本などを読みました。ソフトウェア開発には技術を深堀りしていくローレベルへ探求する方向と、ソフトウェアが生み出す価値を最大化するハイレベルへの探求の双方があるように感じます。

後者はアジャイル開発、スクラム開発のようなプロジェクト運営のスコープから、そもそも何を生み出すべきかというプロダクト開発、ないしは経営的なレベルの話題と地続きになっていると感じました。近年、プロダクトマネジメントについて興味を持っていたり、活動している人が増えている感覚がありますが、色々と読んでみるとやはり必要性を感じました。

ピープルウェアやジョエルオンソフトウェアは以前も読んだ事があるのですが、懐かしさと学びの再発見に読んでみました。

AI・機械学習

今年はCourseraの機械学習の講座を履修したり、Kaggleのコンペに参加してみたりと機械学習に取り組みました。手を動かす活動と平行して全体感を学ぶ為に色々と目を通してみまいた。自分が手を動かした内容の方向性の確認や、自分がよんだドキュメントの用語の確認などでやはり書籍は便利だなと感じます。

費やした時間でいえば、今年は一番多くの時間をPythonに費やしました。

ダイバーシティ

今年はダイバーシティに関する本でまとまった書籍の出版が引き続き目につきました。ネットの記事などで話題になる事例やデータを書籍で確認できるのは良いと思います。またこういった本は読んでいると自分のそれまでの環境や現在の環境ではどうだったのか?という点検を促す効果もあると思います。また分野の呼び方もダイバーシティからダイバーシティ&インクルージョン、さらにはDEIと変遷してきているので書籍のタイトルなどにも今後反映されてくるのではと思います。

メタバース

今年はメタバースという分野が熱狂から幻滅への曲がり角に差し掛かった年だったと思います。展示会などにも足を運んでみましたが、実際の活用や事例に目を向けると多種多様な取り組みがなされています。

この分野で今年一番印象的だったのはRobloxです。日本法人もできたという事で日本でももっと名前を聞くようになってきそうですが、プロダクトそのものもなかなか面白いので楽しめました。

社会課題

社会課題にどのように取り組むべきか、またルポ本のようなものです。一貫して読んでいたわけではないのですが、見直してみるとけっこうありました。新書のものはさっと読めるので気楽でいいですね。

自己啓発

カテゴリ名に悩みましたが、自己啓発本です。自分とは異なる分野で活動するプロフェッショナルが行き着いた思想は、非常に興味深く、自分の考え方やラインを見直す効果があると思います。書籍全体の中では一部分が印象に残るような事が多いです。